「自社のブランド力を高めたい」「もっと魅力が伝わるWebサイトにしたい」と考えているなら、ブランディングサイトの活用が効果的です。

しかし、ただ情報を並べるだけでは、ユーザーの心は動かせません。成功に導くには、戦略やデザイン、コンテンツがバランス良く機能することが大切です。

本記事では、ブランディングサイトの作り方や業種別の参考事例7選、成功のコツを詳しく解説します。自社ブランドの価値を高めるための情報をお届けします。

ブランディングサイトとは？

ブランディングサイトとは、企業や商品・サービスの価値や世界観を発信し、ターゲット層と信頼関係を築くためのWebサイトです。

情報提供や販売促進を目的とするサイトとは異なり、「なぜ商品やサービスを提供するのか」「どのような想いで取り組んでいるのか」といったブランドのストーリーや理念を伝えることを目的としています。

また、サイト全体のトーンやビジュアルを統一することで一貫したブランドイメージを築き、競合との差別化を図ることも狙いです。

ブランディングサイトは、企業の理念や個性を象徴する「ブランドの顔」であり、ユーザーに強い印象を残すための手段として活用されます。

ブランディングサイトを制作する目的

ブランディングサイト制作は、ただ情報を発信するだけでなく、主に以下の4つの目的があります。

• ブランド認知と信頼感を高める
• ブランドの世界観や価値観を伝える
• 顧客との接点を増やしファン化を促進する
• 中長期的な成果につなげる

以下で、それぞれを詳しく解説します。

ブランド認知と信頼感を高める

ブランディングサイトの役割の一つは、認知を広げ、信頼関係を構築することです。

ブランドを浸透させるには、ビジュアルやメッセージを通じて、理念や価値観を直感的に伝えることが有効です。また、SNS連携やインフルエンサーとのコラボレーションなど、複数の流入経路を用意すると、より多くのユーザーにリーチできます。

さらに、洗練されたデザインや一貫したトーンで情報を発信することで、信頼性の高いブランドとして認識されやすくなります。

特に、新規ブランドや認知度が低いブランドの場合、専用のブランディングサイトを持つこと自体が信頼の証となり、競合との差別化にもつながるでしょう。

ブランドの世界観や価値観を伝える

ブランディングサイト制作の目的には、ブランドの世界観や価値観を、感覚的かつ視覚的に伝えることも挙げられます。

理念やビジョン、製品への想いといった「ブランドらしさ」は、デザインや写真、テキスト、動画などを組み合わせることで伝えられます。

例えば、サステナビリティを重視するブランドなら自然素材を連想させる配色ややわらかいトーン、伝統や格式を重んじるブランドは落ち着いた色合いや余白を活かしたデザインで表現するなどです。

さらに近年では、ブランドの世界観をより深く届ける手法として、動画やアニメーションを活用したブランディングサイトが増えています。

静的なデザインだけでは伝わりにくいストーリー性や企業の想いを、映像により表現することで、ユーザーの感情により深く訴えかけ、ブランド価値観の体感と共感につながります。

顧客との接点を増やしファン化を促進する

ブランディングサイトは、ユーザーとブランドの継続的な関係を築くための接点としての役割も担います。具体的には、ブログ運営やSNS連携、メールマガジンなどを通じてユーザーはブランドに愛着を持ち、熱心なファンとなることも。

「このブランドを応援したい」という感情が生まれることで、既存顧客との長期的な信頼関係が生まれるだけでなく、新規顧客の獲得にもつながる可能性があります。

中長期的な成果につなげる

ブランディングサイトの制作は、企業が中長期的なブランド価値を高めるための重要な施策です。

一貫したメッセージとデザインで情報発信を続けることで、ブランドの認知度や好意度が徐々にアップし「このブランドを選びたい」という指名買いにつながる可能性があります。

また、定期的なコンテンツの更新はSEO効果を高め、広告に依存しない集客基盤の構築が可能です。さまざまな積み重ねにより、ブランドの信頼度や価値が確立され、価格競争からの脱却やコスト最適化など、中長期的な経営成果が見込めます。

ブランディングサイトと他のサイトとの違い

ブランディングサイトは、コーポレートサイトやECサイトなどと目的や役割が異なります。

それぞれのサイトの特徴を下表にまとめました。

コーポレートサイトやECサイトは、情報提供や販売を軸とし、ユーザーとの信頼構築や購買体験を中長期的に支えます。LP（ランディングページ）は、短期的な成約につなげるのが特徴です。

一方、ブランディングサイトは、商品や企業の情報提供や販売を目的とするのではなく、ブランドの世界観や価値観を共有し、ファンづくりや長期的なブランド価値向上を狙います。

ブランディングサイトの作り方｜5ステップ

効果的なブランディングサイトを作成するためには、目的設定から運用までを計画的に進めることが大切です。

次から、ブランディングサイト制作の5つのステップを説明していきます。

1. 目的・ペルソナ・コンセプトを明確にする
2. 構成・デザイン・コンテンツを決める
3. ビジュアル・コンテンツを設計する
4. 制作体制を決める
5. 公開後の運用・更新体制を整える

STEP1｜目的・ペルソナ・コンセプトを明確にする

ブランディングサイト制作で最初にすることは、目的やペルソナ、コンセプトの設定です。

明確にする内容の例は、次のとおりです。

まずは、ブランドの認知拡大や信頼関係構築など、具体的なゴールを明確にします。次に、ターゲットとなるペルソナ、ブランド世界観やメッセージを一言で示すコンセプトを設定しましょう。

STEP2｜構成・デザイン・コンテンツを決める

目的やコンセプトを定めたら、サイト全体の構成・デザイン・コンテンツを決めます。

まず、全体の構図を図解化したサイトマップを作成しましょう。サイトマップを作ることで、ユーザーが目的のページにたどり着きやすくなり、作業も効率良く進められます。

トップページを起点に、主要なカテゴリのページを下に配置し、階層化していきます。ユーザーがどこから入り、どう動くかを意識して導線を設計するのがポイントです。

デザインは、ブランドイメージやコンセプトに合った配色やフォント、レイアウトなどを選定。加えて、ブランドストーリーや商品紹介、社員のインタビューなど、盛り込むコンテンツも考えましょう。

STEP3｜ビジュアル・コンテンツを設計する

決定した構成やデザイン、コンテンツをもとに、ビジュアルとコンテンツを具体的に設計します。

まず、ホームページの設計図となるワイヤーフレームを作成します。ワイヤーフレームでは、各ページのレイアウトやコンテンツの配置、情報の優先順位などを決定。

さらに、色やフォント、画像などを反映させたデザインカンプ（完成図）を作り、サイトのイメージを確定させます。合わせて、ブランドのストーリー動画やインタビュー記事、商品紹介文などのコンテンツも準備しましょう。

STEP4｜制作体制を決める

ブランディングサイトの制作は、外注するか自社で行うかによって進め方が変わります。

自社で制作する場合は、デザイン・開発・コンテンツ作成などの役割を明確にし、スケジュール管理をしっかり行うことが大切です。外注する際は、デザイン力だけでなく、実績や相性、提案力などを重視して制作会社を選定しましょう。

STEP5｜公開後の運用・更新体制を整える

ブランディングサイトは、公開後の更新・運用体制の整備が成功を左右します。まずは、以下のような担当者を定めましょう。

• コンテンツ全体の把握
• コンテンツの制作
• SNSとの連携
• Web集客・マーケティング
• サイトの分析・改善

運用体制の構築には、WordPressやShopifyといったCMSの導入が有効です。CMS（コンテンツ・マネジメント・システム）とは、専門知識がない場合でもWebサイトの文章や画像を簡単に更新・管理できる仕組みです。

また、運用ルールをマニュアル化し、デザインやトーンがブレないようにすることも大切。公開後の効果を確認するために、アクセス解析ツール（Google AnalyticsやSearch Consoleなど）を導入しておくと、サイトの改善に役立ちます。

おしゃれで参考になるブランディングサイト7選

ブランディングサイトは、業種によりデザインや表現の方向性が異なります。

ウェルネスやエンタメ、フード業界など、世界観やメッセージ性に優れたブランディングサイトを、弊社の制作実績も交えて紹介します。各サイトの特徴やデザインを参考に、自社のサイト制作に活かしてください。

ウェルネス系｜orsa corp.｜orsa （オルサ）

orsa（オルサ）のブランディングサイトは、ウェルネス系ブランドとしての落ち着いた世界観を丁寧に表現しています。

淡く品のある配色とシンプルなレイアウトが、安心感や上品さを演出しています。イラストや写真がバランス良く配置されており、ユーザーが直感的にブランドの世界観を体感できる設計も魅力です。

参考：orsa （オルサ）

エンタメ系｜株式会社ニーク ｜NIQUE INC

NIQUE INCのサイトは、躍動感あふれるデザインと独自の世界観が特徴です。効果的なアニメーションが視覚に強いインパクトを与え、ユーザーの興味を引きます。

また、冒頭に理念を掲げ、企業の軸がすぐ伝わる構成になっています。モノクロのコントラストを活かした配色に、動画や静止画が巧みに組み合わされ、静と動の絶妙なバランスが魅力的なサイトです。

参考：NIQUE INC

ビル・メンテナンス系｜株式会社B・Cプロパティ｜BC-Property

BC-Propertyのサイトは、信頼性と専門性を前面に押し出した構成が特徴です。トップページの企業理念や清潔感のあるイメージにより、誠実さが端的に伝わります。

事業内容や会社概要などはシンプルにまとめられ、必要な情報へスムーズにアクセスできる、明確でわかりやすいサイト構成となっています。

参考：BC-Property

アパレル系｜株式会社アダストリア｜ニコアンド（niko and … ）

ニコアンドのサイトは、ブランドの雰囲気をビジュアルと空間デザインで巧みに表現しています。トップページの大きな写真や動画、独特なタイポグラフィが、ワクワク感やカジュアルさを演出。

季節や流行りに合う特集ページやスタッフ紹介などコンテンツが豊富で、ブランドの世界観や日常をより身近に感じてもらえる構成になっています。

参考：ニコアンド（niko and … ）オフィシャルブランドサイト

フード系｜江崎グリコ株式会社｜セブンティーンアイス

セブンティーンアイスのサイトは、親しみやすさや遊び心がデザイン全体から感じられます。赤を基調にしたインパクトのある配色により、記憶に残りやすいのも特徴です。

さらに、近くの設置場所を検索できる「17ICE MAP」や、購入でマイレージを貯めるアプリとの連動など、ユーザーとブランドとの日常的な接点も豊富に用意されています。

参考：セブンティーンアイス｜江崎グリコ

教育系｜学校法人九州総合学院｜九州医学技術専門学校

九州医学技術専門学校のサイトは「君には翼がある」というキャッチコピーを前面に押し出すことで、力強いメッセージが伝わります。

学校案内や入学案内などを目立つ位置に配置し、中央部分はスクロール型を採用、さらに固定イラストの挿入といった独特のデザインも特徴。

教育理念を象徴的に示しながら、温かみや躍動感を加えてることで、親しみやすく印象的なサイトとなっています。

参考：九州医学技術専門学校｜医療のエキスパート「臨床検査技師」と「医療秘書（医療事務）」を育成！

地域ブランディング系｜公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン｜YOU CAFE

YOU CAFEのサイトは、ストーリー性にあふれたサイト設計が特徴です。プロジェクトの背景や活動内容などを写真やテキストで紹介し、地域の温かさや目的をわかりやすく伝えています。

親しみやすいデザインと、参加方法や必要情報を網羅し、初めてでも気軽に参加できる工夫も施されています。

YOU CAFE – ゆうカフェ | 中学校を卒業した15才〜24才の女の子のためのカフェ

ブランディングサイト制作を成功に導くコツ

ブランディングサイトを手順どおりに制作しても、細かな配慮がなければ期待する成果が得られないことがあります。

成功の鍵となるポイントは、以下の5つです。

• 目的・ペルソナ・KPIを細かく設定する
• ブランドイメージを統一する
• ユーザー視点でUI・UXを設計する
• 定期的に分析・改善運用を行う
• 差別化要素として「動画」を取り入れる

次から、それぞれのコツを詳しく解説します。

目的・ペルソナ・KPIを細かく設定する

ブランディングサイトの効果を最大化するには、目的やペルソナ、KPIを詳細に設定することが欠かせません。あいまいなまま進めると、デザインやコンテンツの軸がぶれるリスクがあります。

目標には「ファン化促進」「採用強化」など、ペルソナは年代や職業、趣味、課題など多角的に定め、彼らのニーズを深く理解することが大切。さらに、KPI（重要業績評価指標）として、コンバージョン率や平均滞在時間、SNS共有数などを設定しましょう。

教育機関の場合の例は、次のとおりです。

• 資料請求数：300件
• 動画再生回数：1,000回
• オープンキャンパス申し込み数：50件

指標を具体化することで客観的評価がしやすくなり、サイト運用や改善が効果的に進められます。

ブランドイメージを統一する

ブランディングサイトは、訪問者に一貫した印象を与えるため、ブランドイメージを統一することが重要です。

カラーやフォント、写真のトーン、レイアウトなどの要素を揃えると、ユーザーの記憶にブランドが深く刻まれます。文体や表現方法を統一することも大切です。

例えば、ナチュラル志向のブランドならやわらかな配色と自然を連想させる写真、高級ブランドであればシャープなフォントを選ぶなど、ブランドのイメージにあわせてデザインを整えましょう。

一貫性のあるデザイン戦略は、ブランド認知の強化につながります。

ユーザー視点でUI・UXを設計する

ブランディングサイトは、デザイン性だけでなく、ユーザーの使いやすさも意識する必要があります。どれだけサイトが魅力的でも、情報が見つけにくかったり、読み込みが遅かったりするとユーザーが離脱することも。

求める情報にたどり着きやすい導線設計を徹底するためには、パソコンやタブレット、スマートフォンなどでの表示に最適化されたレスポンシブデザインの導入が有効です。

さらに、行動パターンを予測し、次に見たい情報を先回りして提示することで、ユーザーの満足度向上が見込めます。

定期的に分析・改善運用を行う

Webサイトは、公開後も定期的な分析や改善が不可欠です。アクセス解析ツールを活用し、訪問者数やページビュー、コンバージョン率などを定期的に分析しましょう。

調査したデータをもとに、効果的なコンテンツや改善が必要な箇所を把握し、具体的な改善策を講じることが大切です。PCDAサイクルを回し続けることで、サイトはブランドの成長を支える効果的なツールへと進化していく可能性があります。

差別化要素として「動画」を取り入れる

ブランディングサイトで差別化を図るためには、独自性のあるコンテンツが欠かせません。そこでおすすめなのが「動画」です。動画は、文字や写真では伝えきれないブランドの空気感やストーリーを直感的に届けられます。

例えば、トップページにショートムービーを配置したり、ブランドストーリーや社員インタビュー動画を公開したりすると、ユーザーの興味を引きやすくなります。

また、SNSやYouTubeと連動させれば、滞在時間の延長や検索エンジンからの評価アップも見込めます。

ブランディンサイトに動画を導入するなら、ぜひ「ワンダフルドア」にご相談ください。ワンダフルドアでは、Web制作と動画制作の一括対応が可能です。デザインと映像の融合により、ブランドの世界観を的確に表現できます。

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まとめ：目的に合ったブランディングサイトを立ち上げよう

ブランディングサイトは、ただ情報を掲載するだけではなく、ブランドの価値観や世界観を伝え、顧客との信頼関係を築くツールです。

まずは、目的やペルソナ、コンセプトを明確にしたうえで、5つのステップに沿って制作を進めましょう。さらに、定期的に分析と改善を繰り返すことで、サイトはブランドの成長に貢献する資産へと進化していきます。

とはいえ、サイト運営は業務内容が多岐に渡るため、人員やリソースが割けないケースもあるでしょう。ブランドの世界観を最大限に表現したい場合には、プロに任せるのも一つの方法です。

ワンダフルドアは、Web制作に加え動画制作も行っており、効果的なブランディングサイト制作をサポートいたします。自社の価値を最大限に引き出すサイト作りを検討中の方は、ぜひお問合せフォームからご相談ください。

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